毎年秋も深まる11月頃、田上紳さんのフルートリサイタルを聴く。確か今年で5回目位になると思うが、山の倶楽部の友人のO嬢がいつもピアノを引き受けていらっしゃるので聴きに行く。 日頃大編成のオケを中心に聴く機会が多いが、このような器楽曲のソロは特別にフルートを深く理解している訳でもない私にとてもよい刺激になる。 そもそも田上さんのリサイタルを聴くまでは”クーラウ”なるドイツの作曲家がこのように沢山のフルートの曲を作曲している事はまったく知らなかった。フルートはオケの一パートとして美しい女性がここぞと言うところでピロピロと美しいメロディーを奏でる目立ち屋の存在くらいにしか理解していなかった。 今年の曲目が変奏曲に焦点を合わせ、クーラウ以外の作曲家で知っているのはかの有名な”ハンガリー田園幻想曲”を直ぐに思い出す”ドップラー”位だが、変奏曲のテーマにヴェルディーの”リゴレット”を題材にしているフルート二重奏曲OP38や対位法に通じていたと言われているクーラウの二重奏曲など難曲を含めてフルートの技巧のすごさの一端が五回目にして少し分かりかけてきたような気がする。 又このようなリサイタルでのピアノの果たす役割の大切さについてO嬢の演奏から教えられる。 いつも有難う。 このような日頃馴染みの無い曲ばかりを二時間も聞き込むとぐったりする位の疲労を感じるこの頃だがそれが心良い疲労になるようにこれからも努力したい。 私にとって趣味の音楽鑑賞の定点観測のような居所のリサイタルだ。 毎回アンコールで演奏される”七つの子”変奏曲を最後に聴くとホット身体がほぐれてくる。 会場の外は秋の心地良い風が吹いていた。 ーーーーーーーーー*****-----------*****---
by enosinnakano
| 2008-11-01 11:54
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